!注意!    カクがいろいろと痛いです。捏造です。それでも良い方はどうぞ、スクロールしてください。






















だから、カクの部屋の掃除が遅くなった。あの長官の所為で!!
は胸の内で悪態をつく。舌打ちだってしてしまう。(表にはしないけれど)






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最初に、口を開いたのはカクだった。声は努めて平静だけれど、可愛らしいぱっちりとした目をは少し怖いと思った。
「はい」
「なぜ、ここにいるんじゃ?」
「掃除をしていたの」
けれど彼はきっと年齢に似合わない難しい顔をして、出て行けとでも言うんだろう。いつものように。

「・・・さっさと出て行け。掃除などいらん」

ほらやっぱり!
は胸の内で小さく笑う。予想通りのカクの反応が、いくらCP9だからと言って、カクが決して大人というわけではないないことを表している。それと同時に、あのピンクの髪をした長官を疎ましく思った。彼になんて仕事をさせるのだと。
「いいえ、させていただきます」
「いらんと言うておるじゃろう」
さらに難しい顔をしてカクは言う。は自分の何が気に入らないのだろう、と頭の中で考えながら、仕事を手伝うと申し出る優しいCP9に断る時と同じ台詞を言う。
「私の仕事を奪う気なの?」
「それでお前が困るならわしは何度だって拒むじゃろう」
喉で笑って、意地悪く。目をすうっと細めて、艶めかしく。口はカリファと同じ、緩やかな、絶妙なカーブを描く。けれど全身から感じる、への嫌悪。
は驚いた。彼はかくも艶めかしい表情をするのかと。これはきっと、その辺の女性だったらきっと、彼女達の方が頬を染めて逃げてしまうほど、艶めいている。それほどくらくらしてしまうような、艶めかしさ。
「・・・ひどいのね、カク」
けれどその声音は本心を語っていなかった。呆れているようでもあり、諦めているようでもあり、恨んでいるようでもあった。
「お前にいくら酷いと言われようと、わしは痛くも痒くも無いからの。平気じゃ」
そう言って、扉の方からの方へと歩き、すっと隣を通ったかと思うとその向こうの1人掛けの椅子に座った。偉そうに、細く長い足を綺麗に組んで。
「わしはお前が大嫌いじゃからの。お前が嫌がることなら大歓迎じゃ」
また意地悪く、笑う。
そういえば、とは思う。こんなにカクと喋ったのはいつ以来だろうか。もしかしたら、初めてかもしれない。
そんな風に思いながら、はカクの言葉に逆らい、掃除を続けた。にだって、こんなところで仕事を終えてしまうのは後味が悪くて、すっきりしないのだ。
カクはがさっさと出て行かないことにイライラしながら、また眉間に皺を寄せる。そして睨む。

「さっさと出て行け」
「うん、仕事をしたらね。ああ、そうだカク・・・」

くるりと振り向いて、先ほど作ったクッキーを渡そうと思った。そして、いつもと同じ言葉。

それが、いけなかったのかもしれない。いつもカクは、を嫌っていたから。


「な」


なにを、なんて言葉は消えてしまった。いきなり、目の前の景色が飛んだ。流れた。ガンッ、とぶつかった頭がくらくらする。そのうえ背中が、痛かった。そしてカクに押さえつけられている右肩が一番。そしての腹にとん、と当たる、カクの右指。は頭の中で思う、ああ、これはたしか、指銃のかたち。には扱うことができない六式。
けれど、なぜ自分の腹に、それが当たっているのか、には全く理解できなかった。ただカクがを壁に叩き付けたのは理解できた。

「警告はしたぞ?」

とても近くで、カクが笑った。黒い笑い。
「わしはお前が嫌いじゃ、出て行け、掃除はいらん、と。なのにお前は強情にもここにおる!・・・いいか」
カクの手に力が入る。みしり、と嫌な音がの肩でした。が痛さに顔をしかめる。
「さっさと、出て行け」
その言葉がして、少しの間、カクはを睨んだ。は目を丸くして、今の状況を飲み込もうとした。ああ、手がかかったのが、首じゃなくて肩でよかったな、と思った。なぜだか少し冷静に。
カクの手がから離れる。最後に離れたのは腹に当たっていた指。まるで脅迫。

「今すぐじゃ」


流れる無音。
カクはいつの間にか椅子に座っていて、書類を読み始めた。きっとそこには次の任務のことが書いてある。はというと、壁にもたれたまま、呆然と立っていた。

「カク」

その言葉に、カクは顔をあげる。嫌なものをみる目つきで。
「ごめんなさい。わたしは、カクがそこまで私のことを嫌いだなんて思わなかった」
はしっかりと、気丈にしているつもり。だったが、今の出来事が予想以上に応えたのか、声は少し震えていた。けれど、声は少し震えていても、気持ちはしっかりしていた。泣くなんてことはなかった。
は少しだけ口を開けかけて、けれど言いよどむようにぐっ、と唇を少し噛む。そして他の給仕や海兵のように、深く頭を下げる。
「申し訳ありませんでした、カクさん。失礼いたします」
落としてしまった箒とバケツをとって、は出て行った。カクの耳に、パタン、という音がよく響いて聞こえた。



「・・・大嫌いじゃ、あんな給仕なんぞ」



書類を放り出して、まるで自分に言い聞かせるかの様にカクはそう呟いた。、と初めて彼女の名前を呼んだことにも、気付かないで。










(自分の心を否定することは、痛くて苦しい。無意識でも、そうでなくても)






(06.08.02)